漁師の妻ブログ

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漁師の一日 定置網で漁開始!!

日本海の夕陽

日本海の夕陽

定置網に到着したころに朝日が差し込んできます。

漁師の一日2回目記事である今回は定置網に到着後からの漁師の仕事をご紹介します。

漁師の一日 定置網で漁開始!!

 

漁船操舵の難しさ

船頭(親方)は、事前情報として当日の風向きと波高を確認してから乗船します。潮流は毎回変化があるのでそれは実際の状況に合わせて操縦します。


定置網漁の漁船の操縦は一筋縄ではいきません。ベテラン漁師でも定置網に船が巻き込まれ事故を起こすことがあるくらいです。

昨年も一隻が巻き込まれ事故が起きていますが、操舵していたのは50年以上のベテラン漁師でした。けが人が出なかった事が救いでしたが、船と定置網は大変な損害だったのです。肩を落とした漁師さんの姿を覚えています。

位置についたら

適切な位置についたらまず舵とスクリューを上げないといけません。

定置網漁では漁船が風と潮で流されないようにイカリで固定するのではなく定置網を海底に固定しているロープと漁船をしっかり固定します。ロープで固定したら本格的に漁が開始されます。

漁船

漁船船首(オモテ)

漁船

漁船(甲板)

漁船のオモテ(船首)側とトモ(船尾)に2名ずつ分かれてローラーと手を使いロープを巻き上げていきます。ロープを巻き上げていくことで、最終的には魚が入った網を絞り込むことになります。


乗組員のちょっとしたミスが事故につながることがあるので、たまにベテラン漁師の叱責する大声が鳴り響くなか作業は進みます。

 

袋網を揚げる

ロープで徐々に絞ってきた袋状の網(袋網)を乗組員が総出でオモテとトモ両側からバランスよくタイミングを合わせて手繰り寄せます。


回遊してきた魚はまず運動場と言われる誘導網に誘い込まれ、そしてこの袋状になった網(袋網)に追い込まれるのです。
ある程度手繰ってきたら、海面に上がってきた大型魚は見えた時点で大きなタモ(網)ですくっていきます。


なかでもあきらかに数十キロと思われる大型は抵抗する力が相当強いので力自慢の漁師が2名で引き揚げます。引き揚げたあとすぐに魚を絞める作業を行います。魚の絞め方の詳しいご説明はまたの機会に。(神経〆の師匠が登場します。)

黒マグロ

黒マグロ

掲載写真は最近捕れた黒マグロですが大きいものは50キロ以上でした。
待ちの漁である定置網漁の最大の楽しみはこの網の中の魚を確認する瞬間です。


大漁であれば全員の顔がぱっと明るくなります。しかし待ちの漁である分、漁獲量が変動し不漁が続くことはまれではありません。

魚種の選別

大型魚の次はイカです。イカが海面に見えてきたらなるべくイカだけをタモですくっていきます。傷がないイカは生かしで高値で買い取られるからです。


山陰地方では定置網漁の収入の大半をイカが占めます。昨年からイカ漁は不漁が続いているのでイカが入っていることは有難いことです。


イカは生かして、魚は氷でいったん〆てから魚種に分けて選別していきます。さまざまな種類を知り尽くしているベテラン漁師は選別のスピードが倍は違います。


選別が始まる頃には揚げた網を下ろしていく作業が終了しているので定置網に固定していたロープを外し、今度は港へ向けて船頭は船を走らせていきます。揺れる中を下を向いて魚を選別するので船酔いする漁師にとってはこれが一番の苦行です。


港が見えてきました。みんながほっとする瞬間です。

夏に向けて

 これから暖かくなっていきますが、夏場はあっという間に気温が上昇し
甲板上は影もなく逃げ場もないため日差しをもろに受けるのです。


漁師の額から頭皮から汗がバタバタ甲板に落ちます
長靴の中にも滴り落ちた汗が溜まってびちゃびちゃする音がそこかしこに響いています。

夏に乗船した時いったい何の音❓っと不信に思いましたが、
漁師さんが突然目の前で長靴をひっくり返し、ばしゃっと液体が甲板に落ちた瞬間すべてを察知しました。


溜まった汗を1度の漁で2.3回はひっくり返して空にします。そのままだと足が滑って踏みしめられないからだそうですΣ( ̄ロ ̄lll)


発汗が尋常ではないので、こまめな水分・電解質の補給が大切になります。
夫は漁師1年目の夏に熱中症になり痙攣をおこして大変な思いをしました。
この出来事から夏場の冷蔵庫には経口保水液のゼリータイプを常備しています。

 

『漁師の一日』次回は港に到着してからをお届けさせていただきます。
最後までお読みくださりありがとうございました。