漁師の一日 定置網到着まで
今回は定置網漁の漁師である夫の一日をご紹介します。
まず一回目は定置網到着までをお届けします。
漁師の朝は早いと言われていますが実際はどうでしょうか。
簡単に漁業の説明から始めたいと思います。
漁業について
まず漁業は主に遠洋漁業と沖合漁業、沿岸漁業3つの種類に分かれます。
遠洋漁業は世界中が漁場になるので、一度出港すれば2か月から、長期であれば1年間は日本の土は踏めません。
沖合漁業はみなさんも聞かれたことがあるかもしれませんが、200海里水域が境の漁業です。マグロのはえ縄漁やサンマ網漁が有名だと思います。
出港当日に戻ることもありますが、約ひと月かけて漁をすることもあります。
最後に沿岸漁業。定置網漁を含めてさまざまな漁法がありますが養殖や蛸壷漁もここに分類されています。
定置網について
沿岸漁業のなかでも定置網漁は待ちの漁と言われていて自然に優しい漁でもあります。
海底の地形を把握している地元の漁師が潮の流れや収穫したい魚の動きなど様々な情報を駆使して網を海底に設置します。
回遊してくるさまざまな魚を網の中に誘導して先端の袋型の網で魚を捕えます。
網の形状は工夫が凝らされていて、航空写真をみると沿岸の定置網の形が確認できます。
定置網漁師と妻の朝
日の出の時間に定置網が設置されている場所に到着する必要があるので夏時間、冬時間があります。
夏時間だと起床は3時半です。
転職前は夫が趣味の釣りに出かける時の起床時間も3時半でした。
その時も眠い目をこすりながらやっと起きていましたが、漁師の妻になったからには朝食を準備して無事に帰って来れるように
『いってらっしゃい。気を付けてね。』と夫の背中が見えなくなるまで送り出すことは続けていくと決めていました。
あとで他の漁師妻さんに教えてもらいましたが、8人いる乗組員の中で夫に合わせて起床するのは私だけでしたΣ( ̄ロ ̄lll)
ですが私が起きないと夫は朝食をとらずに出かけるタイプなのです。朝食をきちんと摂ることには重要な意味があります。
漁船にトイレはついていないため、朝しっかり腸蠕動を促進してトイレを済ませておく必要があります。でないと大変な屈辱を味わわなくてはならなくなります。
ただ、夏時間だと4時過ぎには出発するので、私は自分の勤務時間に合わせて2度寝することもできます。
冬時間ですと起床はぐっと遅くて4時20分。5時前には自宅を出ます。自転車で数分で港に到着します。
定置網漁準備
港に到着すると同じく出勤してきた漁師さんと一緒に、前日の漁獲量と当日の風向き、波高を目安に氷を砕きます。
捕れた魚をしめるために使用する氷です。
この氷の量が多いと無駄な出費になり、足りないとせっかく網に入った魚をきちんとしめることができないので氷を一旦取りに帰港しないといけません。
これも燃料代を無駄にしていまうので見極めが大切になります。
氷を砕いて漁船に積み終わったころ親方やベテラン漁師さんが到着します。
※漁師さんの生態
漁師さんは地声が大きい方が多くて慣れるまではいつも怒っているように感じますが、大声でも目を確認して目じりが垂れていれば気にしなくても大丈夫です。大声+目じりが吊り上がっているときは危険なのでそっと距離をあけましょう。何か思い当たる時は謝罪と反省が大事です。
定置網に向けて出港~到着
定置網が設置してある一か所目の漁場までは約5分です。
波が高い時や、うねりがある時はスクリューで定置網を破らないように、また網に漁船が絡まないように適切な位置に漁船を寄せるのに、細心の注意を要します。
ですから操縦は必ず全責任を負っている親方が行います。
※漁師あるある
漁師は船酔いしないと思われるかもしれませんが、同じ人間なので船酔いする漁師も存在します。明らかに時化るとわかっているけれど漁がなんとか行える日には漁師も酔い止めを服用します。
さあ定置網に到着しました。これから先は、また次のブログで。最後までお読みくださってありがとうございました。